こんな疑問にお答えします。
「性的同意チェックリスト」とは、「性的同意(性にまつわることについて、あいまいにせずお互いの意思を確認すること)」が取れているかを10の項目で確認するもの。(1つでも当てはまってはダメ)
これは、『公益財団法人 京都市男女共同参画推進協会』から平成30年8月に発行されたジェンダーハンドブックの中に掲載されています。
また、この「性的同意チェックリスト」が話題になったのは、以下のことから。
令和2年11月10日に法務省で開かれた性犯罪に関する討論会で、日本学術会議が「同意のない性行為は犯罪とすべき」との提言を示しました。
これを受けて、「性行為の同意」とは具体的にどういったことなのか?という題材でABEMAニュースがある動画を投稿。※現在削除されています。
動画内で「性的同意チェックリスト」が使用されていました。
それでは、まず日本学術会議が「同意のない性行為は犯罪とすべき」との提言をした背景と目的から解説し、「性的同意チェックリスト」を使う意味を解説していきます。
日本学術会議が「同意のない性行為は犯罪とすべき」との提言をした背景と目的
長いので、以下は飛ばしてOKです。すぐ要約してます。
2017年、110年ぶりに刑法の性犯罪規定が改正された。その際、「必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする」という附帯決議(附則9条)が付け加えられた。この決議に基づいて、法施行後3年にあたる2020年に法務省に「性犯罪に関する刑事法検討会」が設置され、審議が始まった。この機に、本提言を通じて、刑法のさらなる改正を求めたい。
たしかに、2017年の刑法改正は、性犯罪の加害者・被害者の性中立化(加害者・被害者の性別を問わない)や非親告罪化(被害者の告訴がなくとも検察官が職権で起訴できる)などいくつかの点で大きな改善を果たした。しかし、「個人の尊重」という日本国憲法の理念を十分に反映した改正にはなっていない。また、憲法13条で保障されている「自己決定権」を尊重する形での改正は、いまなお実現していない。一方、国際社会では、1990年代から「女性に対する暴力」の撤廃に向けた取り組みが本格化した。多くの国で、性犯罪の成否を決定する基本的枠組みが、「暴行又は脅迫の有無」から「同意の有無」(No means No)へと転換されていった。さらに「自由意思による参加の有無」(Yes means Yes)を基本的な要件にした国も登場している。日本でもまた、国際人権基準や諸外国の立法例を参考にして、個人の尊重と被害者の性的自己決定権を最大限尊重した形でさらなる改正に向けた検討を始めることが求められる。
要約
日本では2017年に一度性犯罪規定が改定。
➤ 性犯罪が成立するには「暴行又は脅迫の有無」が立証されないといけない。
➤「性行為の同意の有無」は度外視されていたため、泣き寝入りする被害者も多くいた。
➤ 多くの国では、既に「暴行又は脅迫の有無」→「同意の有無」に転換されている。
➤ 日本でも海外同様に刑法の再改正をすべきとなった。
日本学術会議の提言の一部を読みたい方はこちら。
提言の全文を読みたい方はこちら。
「性的同意チェックリスト」を使う意味
画像はジェンダーハンドブックの一部抜粋。
画像左側が「性的同意チェックリスト」です。
記載がありますが、1つでも当てはまれば"性的同意は取れていない"ということ。
つまり、1つでも当てはまれば、あなたは"性的同意"の認識が甘く、チェックした項目で、今後「同意が取れていない性行為」をしてしまい、性被害の加害者もしくは被害者となってしまう恐れがあります。
これらから分かるように、「性的同意チェックリスト」は以下の3つの意味があります。
- 「性的同意」も無いまま性行為をしてしまうと「性被害の加害者・被害者」になってしまう可能性があるということを認知してもらうため
- 日本国民1人1人の「性的同意」への意識を高めるため
- 性的被害の被害者を減らしていくため
筆者の結果とプライベートでの「性的同意」について
筆者の私の結果は、1つもチェックはありませんでした。
私には、3年以上付き合っている彼女がいますが、今でも性行為の際は必ず同意を得るようにしています。
同意を得る理由
- 生理かどうか事前に確認しておく必要がある
- その時にしたい気分ではないかもしれないから
「そうゆう雰囲気になってしまって、途中で嫌とは言い出せなくなった」みたいなことがあると、お互いにとって良くないので、相手が誰だろうと同意を得るのが一番です。
「性的同意チェックリスト」の項目について思うこと
【 check1 】
- 二人きりでデートに行くことは、性行為を前提としてる
これはあり得ないですよね。せふれってことじゃん。
【 check2 】
- キスをしたら、性行為をしてもいい
これも意味が分かりません。
【 check3 】
- 相手がイヤと言っていても「イヤよ、イヤよ、も好きの内」なので、性行為をしてもいい
これを考えるのは「童貞」か「ヤリモク」くらい。本当に嫌の可能性も意外とあるからダメ。
【 check4 】
- 相手がイヤと言ってなかったら、性行為もOKサインである
恐怖などで"言えないだけ"という可能性もあるからダメ。
【 check5 】
- 酔った勢いで、性行為に及ぶのはしかたがない
これは特にやっちゃダメ。場合によっちゃ訴えられます。
【 check6 】
互いに成人していれば、性行為の際に同意を求める必要は無い
成人してようが、してまいが関係なく同意は必要。
【 check7 】
- 家に泊まるのは、性行為をしてもいいというサインだ
これは微妙なところですが、場合によっては嫌がられて訴えられるという可能性もあります。
【 check8 】
- 付き合っていれば、性行為をするのは当たり前だ
これは大間違いです。性行為をするために付き合っているわけではないですからね。
【 check9 】
- 同じ相手に、毎回、性行為の同意を取る必要はない
同じ相手であっても毎回必要です。むしろ、同じ相手だからこそってところもあります。
【 check10 】
- ナイトクラブに来る人は、出会いや性的交遊を求めてくる人が多いので、性行為に際して同意を取る必要はない
そういった方もいるかもしれませんが、全員がそうでは無く、ただ楽しみたくて来ただけの人もいるかもしれない。
「性的同意チェックリスト」で「性的同意」への意識を高めよう
この記事のまとめですが
- 「性的同意チェックリスト」とは、「性被害の加害者・被害者」にならないために、自分の「性的同意」認知度を計るもの
- 「性的同意チェックリスト」とは、性行為の際に「性的同意」が取れているかを10の項目で確認するもの
普段は真面目に考えないようなことですが、シビアな問題なので、一度真剣に考えてみましょうね。